【シタール
─ Sitar】
インドの弦楽器。中世インドで、Hazrat Amir Khusroによって発明されたといわれる。琴や琵琶のように弦をベンディングすることでミクロな表現を可能にする。弦の数は20本前後で、ドローン弦、メロディー弦、リズム弦、共鳴弦に分かれる。 |
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【ホーメイ ─ Khoomei】
ロシア連邦トゥバ共和国に伝わる喉歌。ダミ声によって本来声に含まれた倍音成分を強調し、ドローンとメロディを一人で同時に歌う。その特異な響きから「一人二重唱」などと形容されることも。アルタイ山脈一帯には類似した歌唱法が分布しており、日本ではモンゴルの「ホーミー」が比較的よく知られている。 |
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【イギル
─ Igil】
トゥバ共和国の弓で弾く擦弦楽器。モンゴルの馬頭琴の原型と言われ、ハーモニクスが豊かな音色が特徴。ミルクをかくはんする大きな木製のさじに、弦を張ったのが始まりとの説も。2弦の素朴な構造ながら多彩な表現が可能で、ホーメイの伴奏に多用される。トゥバの歌手たちにとっては無くてはならない重要な楽器。 |
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【ダルブッカ ─ Darbuka】
アラブ諸国で使用される陶器やアルミ鋳造のゴブレット型の胴体を持つ打楽器。打面は魚(サメやエイ)や山羊の皮、プラスティック・ヘッド等が使用される。高級品は象嵌(貝殻等の材料で模様などをはめ込む)の装飾が施されているものが多い。エジプトではタブラ(=太鼓)と呼ばれる。 |
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【カホン ─ Cajon】
南米ペル−やスペインで使用される四角い木箱型の打楽器。打面の板が側板から浮いており、叩くと板がぶつかるアタック音が生じる。また打面の内側に響き線や小さな鈴等が施されているものもある。発祥は南米ペル−という説が有力で、荷箱などを叩き始めたのがきっかけと言われている。その後1960年代にペルーのミュージシャンからカホンをプレゼントされたパコ・デ・ルシアがフラメンコ音楽に導入した。カホンはスペイン語で「箱」と言う意味。 |
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【パカワジ
─ Pakhawaj】
北インドの代表的な両面太鼓。タブラの原型と言われ、右鼓面にはタブラ同様の鉄粉を含む黒いペーストが塗り付けられている。左鼓面には演奏のたびにパン生地を貼付け、独自の重低音を醸し出す。主に北インド古典音楽のドゥルパッドスタイル(現存する最古の古典スタイル)で使われる打楽器。 |
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【マリンバ ─ Marimba】
ひとことで言うならば大型の木琴。ピアノと同じ配列の木製の鍵盤をマレットと呼ばれるバチで打ち、共鳴管にその音を響かせ音を出す。原形は数百年〜千年位前のアフリカにあったといわれ、木の板を並べ、下に瓢箪などをぶらさげ共鳴管の役割を果たしていた。今の形が生まれたのは19世紀のグァテマラと言われている。その後アメリカ・ヨーロッパなどで改良され現在の形になる。グァテマラでは今でもマリンバは国民的な楽器とされている。 |
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【タブラ ─ Tabla】
北インドで古典音楽からポップスまであらゆる所で使われている2つでセットの片面太鼓。高音の太鼓は『ダヤン』もしくは『タブラ』と呼ばれる木のボディー、低音の太鼓は『バヤン』と呼ばれ、金属のボディーを使い、それぞれにヤギの皮が張ってある。また鼓面中央の黒い部分は『ガブ』と呼ばれ、米の糊と金属の粉を混ぜて練ったペースト状のものを塗り付けてある。ここをうまくコントロールしながら叩くと、この楽器独特の歌う様なリズムが生まれる。 |
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【インド口琴 ─ Morshank】
口琴はユーラシア大陸全体に見られる楽器である。振動する弁とそれを取り囲む枠でできているが、民族により鉄、真鍮、竹、木等様々な素材、形状を持つ。単体では蚊の飛ぶような音しか出ないが歯、もしくは唇を通じて振動を口腔内に伝え、響かせることによって音響を得る。口腔内を微妙に変化させることで振動弁の持つ倍音に変化を持たせ演奏する。一見シンプルな作りからは想像もつかない程に様々な音色の倍音が発生する。アラヤヴィジャナではインド古典のリズム演奏に用いられることの多い口琴、通称モルシャンを使っている。 |